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月別アーカイブ: 2025年3月

第8回電気工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社畠平電気、更新担当の中西です。

 

~電線のボルト数/海外編~

ということで、ここでは、海外の電圧規格の違い、電線の選定基準、施工時の注意点などを深掘りして解説します♪

 

電気工事において、電線のボルト数(電圧) は国や地域ごとに異なります。国によって使用する電圧や周波数、電線規格が異なるため、海外で電気工事を行う際には現地の基準を正しく理解することが不可欠です。


1. 世界の電圧規格と電線の違い

(1) 電圧(ボルト数)と周波数の国別比較

世界各国では、以下のように電圧(ボルト数)と周波数(Hz) が異なります。

地域 / 国 標準電圧(V) 周波数(Hz) 主な用途
日本 100V / 200V 50Hz / 60Hz 家庭・商業施設
アメリカ 120V / 240V 60Hz 家庭・工場
ヨーロッパ(EU各国) 230V 50Hz 家庭・商業施設
イギリス 230V / 400V 50Hz 家庭・産業用
中国 220V / 380V 50Hz 家庭・商業施設
オーストラリア 230V / 400V 50Hz 家庭・工場
インド 230V / 400V 50Hz 家庭・商業施設

日本の家庭用電圧100Vは世界的に見ると珍しく、多くの国では220V~240Vが標準です。


2. 海外の電気工事で使用される電線規格

国によって、電線の種類や安全基準も異なります。主な電線規格を見てみましょう。

(1) アメリカ(米国)

  • 標準電圧:120V / 240V(低圧)、4,160V~13,800V(高圧)
  • 主な電線規格:NEC(National Electrical Code)に準拠
    • THHN(熱可塑性高耐熱ナイロンコート):一般住宅・商業施設向け
    • UF-B(地下埋設用ケーブル):耐水性が高く、屋外用
    • MCケーブル(メタルクラッドケーブル):高圧配線向け

アメリカでは単相120Vが一般的で、200V系の機器は240Vが必要になる点に注意。

(2) ヨーロッパ(EU)

  • 標準電圧:230V(単相)、400V(三相)
  • 主な電線規格:IEC(国際電気標準会議)の規格に準拠
    • H07RN-F:耐候性が高く、屋外でも使用可能
    • NYMケーブル:住宅・商業施設の屋内配線に使用
    • XLPEケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ケーブル):高圧用

ヨーロッパではコンセント形状が国によって異なるため、プラグの仕様にも注意が必要。

(3) 中国

  • 標準電圧:220V(単相)、380V(三相)
  • 主な電線規格:GB規格(中国国家標準)に準拠
    • BVケーブル:PVC絶縁の屋内配線用
    • YJVケーブル:XLPE絶縁の高圧用ケーブル
    • RVVケーブル:柔軟性が高く、機器配線に使用

中国では品質の異なる電線が市場に流通しており、信頼性の高い製品を選ぶことが重要。

(4) イギリス(UK)

  • 標準電圧:230V / 400V
  • 主な電線規格:BS規格(British Standards)に準拠
    • Twin & Earth(T&E)ケーブル:一般住宅向け
    • Armoured Cable(SWAケーブル):高圧用、耐久性が高い
    • LSF(低煙無ハロゲン)ケーブル:火災時の安全性が高い

イギリスのプラグは3ピン式で、コンセントにはヒューズが内蔵されているのが特徴。


3. 海外電気工事の安全対策と施工基準

(1) 電圧に応じた適切な電線選定

  • 電線の耐圧性能(ボルト数)を確認し、適切なケーブルを選ぶ
  • 高圧配線の場合、絶縁性能が十分な電線を使用

(2) 電源プラグとコンセントの違いに注意

  • ヨーロッパ、アメリカ、中国ではプラグ形状が異なるため、変換アダプターや適正な配線が必要
  • 日本の100V機器は、海外では変圧器を使用しないと動作しない 場合がある

(3) 各国の電気工事資格を確認

  • アメリカ:NECに基づく電気工事士資格(Master Electrician, Journeyman)
  • イギリス:18th Edition Wiring Regulations(BS 7671)に基づく資格が必要
  • オーストラリア:電気工事士資格(Electrical Contractor License)

海外では無資格の工事が法律違反となることが多いため、必ず資格要件を確認。


4. まとめ:海外の電気工事では電圧規格の違いを理解することが重要

海外で電気工事を行う際には、国ごとの電圧規格・電線規格・施工基準を正しく理解することが不可欠 です。

電圧(ボルト数)を確認(100V・120V・220V・230Vなど国ごとに異なる)
電線規格を遵守(NEC・IEC・BS規格など、各国の基準を確認)
安全基準を厳守(感電・火災事故を防ぐため、施工基準に従う)
資格要件を確認(各国の電気工事士資格が必要な場合あり)

海外で電気工事を行う際は、現地の専門家と協力しながら、安全で適正な施工を心掛けましょう!

 

 

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第7回電気工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社畠平電気、更新担当の中西です。

 

~電線のボルト数~

ということで、ここでは、電線のボルト数(電圧)の基礎知識から、選定方法、安全対策までを深掘りして解説します♪

 

電気工事において、電線のボルト数(電圧) は極めて重要な要素です。適切な電圧の電線を使用しないと、機器の誤動作や発熱、最悪の場合は火災や感電事故につながる可能性があります。


1. 電線のボルト数(電圧)とは?

電線の「ボルト数」とは、電線を流れる電気の電圧(V:ボルト) を指します。一般的に、電圧が高いほど多くの電力を送ることができますが、安全性や電線の絶縁性能が重要になります。

電圧の分類

電気設備技術基準に基づき、日本では以下のように分類されます。

電圧範囲 電圧(V) 主な用途
低圧 100V / 200V 家庭用電気(照明・コンセント)、小規模オフィス
高圧 6,600V 工場、ビル、商業施設
特別高圧 22,000V~500,000V 送電線、変電所、大規模プラント

電線を選定する際には、この電圧分類に応じた適切な種類のケーブルを使用することが不可欠です。


2. 電線の種類とボルト数の関係

電線には、使用する電圧に応じてさまざまな種類があります。それぞれの用途に適した電線を選ぶことが、安全な電気工事には欠かせません。

(1) 低圧用の電線(100V / 200V)

低圧電線は家庭や小規模なオフィスで使用される電圧に適しています。

主な種類

  • VVFケーブル(600V ビニル絶縁ビニルシースケーブル)

    • 一般家庭やオフィスの屋内配線で使用
    • 100V / 200V対応
    • 設置しやすく、コストが低い
  • VVRケーブル(600V ビニル絶縁ビニルシース丸形ケーブル)

    • VVFよりも柔軟性があり、取り回しがしやすい
    • 100V / 200V対応

(2) 高圧用の電線(6,600V)

高圧電線は、工場やビル、商業施設などの大規模な電力供給に使用されます。

主な種類

  • CVケーブル(600V~6,600V 交差ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブル)

    • 高圧配線用で耐熱性・耐久性に優れる
    • 6,600Vまで対応可能
  • EM-CE/CV(エコ電線)

    • 環境対応型の高圧電線
    • 低煙・低毒性のシースを使用

(3) 特別高圧用の電線(22,000V~500,000V)

特別高圧電線は、送電線や大規模な工業施設で使用されます。

主な種類

  • OFケーブル(油浸紙絶縁ケーブル)

    • 22,000V以上の送電線で使用される
    • 絶縁性能が高いが、敷設コストが高い
  • CVTケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ビニルシース多心ケーブル)

    • 22,000V~66,000Vの設備で使用
    • 耐候性に優れ、屋外配線にも適用可能

3. 電線のボルト数と安全対策

(1) 適切な電線の選定

電線を選ぶ際には、以下のポイントに注意する必要があります。

  • 使用する電圧(ボルト数)に対応した電線を選ぶ
  • 電線の許容電流(A:アンペア)も確認する
  • 設置環境(屋内・屋外・湿気・高温など)に適した電線を選定

(2) 絶縁性能の確認

電圧が高くなるほど、電線の絶縁性能が重要になります。以下の点をチェックしましょう。

  • 絶縁耐力試験を実施し、規定の電圧に耐えられるか確認
  • 経年劣化した電線は、定期的に交換する

(3) 感電・火災事故の防止策

電線の電圧が適切でない場合、感電や火災のリスクが高まります。以下の対策を徹底しましょう。

  • アース(接地)を適切に施工し、漏電を防ぐ
  • 過電流防止のためにブレーカーを適切に設定
  • 適切な電線サイズを選定し、発熱による火災を防ぐ

4. 電線のボルト数と施工基準(法規制)

日本では、電気工事に関する法規制が厳格に定められています。特に、電線の電圧に関する基準には注意が必要です。

(1) 電気設備技術基準(電気事業法)

  • 低圧(100V / 200V)の配線には、600V耐圧の電線を使用
  • 高圧(6,600V)の配線には、耐圧試験をクリアした専用ケーブルを使用

(2) 電気工事士法の資格要件

  • 低圧工事(100V / 200V):第二種電気工事士以上が施工可能
  • 高圧・特別高圧工事:第一種電気工事士または電気主任技術者が施工

無資格での施工は法令違反となり、事故の原因になるため注意が必要です。


5. まとめ:電線のボルト数を正しく理解し、安全な電気工事を

電気工事において、電線のボルト数(電圧)は適切な電線選定、安全対策、法令遵守に大きく関わります。

100V / 200V:家庭やオフィスではVVF・VVRケーブルを使用
6,600V:工場やビルではCV・EM-CE/CVケーブルを活用
22,000V以上:特別高圧にはOFケーブルやCVTケーブルを採用

安全な電気工事を行うために、適切な電線選定と施工基準の遵守 を徹底しましょう!

 

 

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