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日別アーカイブ: 2025年3月24日

第8回電気工事雑学講座

皆さんこんにちは!

株式会社畠平電気、更新担当の中西です。

 

~電線のボルト数/海外編~

ということで、ここでは、海外の電圧規格の違い、電線の選定基準、施工時の注意点などを深掘りして解説します♪

 

電気工事において、電線のボルト数(電圧) は国や地域ごとに異なります。国によって使用する電圧や周波数、電線規格が異なるため、海外で電気工事を行う際には現地の基準を正しく理解することが不可欠です。


1. 世界の電圧規格と電線の違い

(1) 電圧(ボルト数)と周波数の国別比較

世界各国では、以下のように電圧(ボルト数)と周波数(Hz) が異なります。

地域 / 国 標準電圧(V) 周波数(Hz) 主な用途
日本 100V / 200V 50Hz / 60Hz 家庭・商業施設
アメリカ 120V / 240V 60Hz 家庭・工場
ヨーロッパ(EU各国) 230V 50Hz 家庭・商業施設
イギリス 230V / 400V 50Hz 家庭・産業用
中国 220V / 380V 50Hz 家庭・商業施設
オーストラリア 230V / 400V 50Hz 家庭・工場
インド 230V / 400V 50Hz 家庭・商業施設

日本の家庭用電圧100Vは世界的に見ると珍しく、多くの国では220V~240Vが標準です。


2. 海外の電気工事で使用される電線規格

国によって、電線の種類や安全基準も異なります。主な電線規格を見てみましょう。

(1) アメリカ(米国)

  • 標準電圧:120V / 240V(低圧)、4,160V~13,800V(高圧)
  • 主な電線規格:NEC(National Electrical Code)に準拠
    • THHN(熱可塑性高耐熱ナイロンコート):一般住宅・商業施設向け
    • UF-B(地下埋設用ケーブル):耐水性が高く、屋外用
    • MCケーブル(メタルクラッドケーブル):高圧配線向け

アメリカでは単相120Vが一般的で、200V系の機器は240Vが必要になる点に注意。

(2) ヨーロッパ(EU)

  • 標準電圧:230V(単相)、400V(三相)
  • 主な電線規格:IEC(国際電気標準会議)の規格に準拠
    • H07RN-F:耐候性が高く、屋外でも使用可能
    • NYMケーブル:住宅・商業施設の屋内配線に使用
    • XLPEケーブル(架橋ポリエチレン絶縁ケーブル):高圧用

ヨーロッパではコンセント形状が国によって異なるため、プラグの仕様にも注意が必要。

(3) 中国

  • 標準電圧:220V(単相)、380V(三相)
  • 主な電線規格:GB規格(中国国家標準)に準拠
    • BVケーブル:PVC絶縁の屋内配線用
    • YJVケーブル:XLPE絶縁の高圧用ケーブル
    • RVVケーブル:柔軟性が高く、機器配線に使用

中国では品質の異なる電線が市場に流通しており、信頼性の高い製品を選ぶことが重要。

(4) イギリス(UK)

  • 標準電圧:230V / 400V
  • 主な電線規格:BS規格(British Standards)に準拠
    • Twin & Earth(T&E)ケーブル:一般住宅向け
    • Armoured Cable(SWAケーブル):高圧用、耐久性が高い
    • LSF(低煙無ハロゲン)ケーブル:火災時の安全性が高い

イギリスのプラグは3ピン式で、コンセントにはヒューズが内蔵されているのが特徴。


3. 海外電気工事の安全対策と施工基準

(1) 電圧に応じた適切な電線選定

  • 電線の耐圧性能(ボルト数)を確認し、適切なケーブルを選ぶ
  • 高圧配線の場合、絶縁性能が十分な電線を使用

(2) 電源プラグとコンセントの違いに注意

  • ヨーロッパ、アメリカ、中国ではプラグ形状が異なるため、変換アダプターや適正な配線が必要
  • 日本の100V機器は、海外では変圧器を使用しないと動作しない 場合がある

(3) 各国の電気工事資格を確認

  • アメリカ:NECに基づく電気工事士資格(Master Electrician, Journeyman)
  • イギリス:18th Edition Wiring Regulations(BS 7671)に基づく資格が必要
  • オーストラリア:電気工事士資格(Electrical Contractor License)

海外では無資格の工事が法律違反となることが多いため、必ず資格要件を確認。


4. まとめ:海外の電気工事では電圧規格の違いを理解することが重要

海外で電気工事を行う際には、国ごとの電圧規格・電線規格・施工基準を正しく理解することが不可欠 です。

電圧(ボルト数)を確認(100V・120V・220V・230Vなど国ごとに異なる)
電線規格を遵守(NEC・IEC・BS規格など、各国の基準を確認)
安全基準を厳守(感電・火災事故を防ぐため、施工基準に従う)
資格要件を確認(各国の電気工事士資格が必要な場合あり)

海外で電気工事を行う際は、現地の専門家と協力しながら、安全で適正な施工を心掛けましょう!

 

 

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